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やがて目覚めない朝が来る (ポプラ文庫 お 4-2)
 
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やがて目覚めない朝が来る (ポプラ文庫 お 4-2) [文庫]

大島 真寿美
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

少女は、魅力的な大人たちに囲まれて、大人になっていく。すべてを包み込んで穏やかに流れていく時間と人生のきらめきを描き出す、今、最注目の著者の最高傑作。 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

大島 真寿美
1962年名古屋市生まれ。1992年「春の手品師」で文學界新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 231ページ
  • 出版社: ポプラ社 (2011/10/6)
  • ISBN-10: 4591126242
  • ISBN-13: 978-4591126240
  • 発売日: 2011/10/6
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 20,752位 (本のベストセラーを見る)
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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
とても良かった。
綺麗な音楽を聴き終わった後の余韻っていうか、
綺麗な映画を鑑賞した後の余韻っていうか
とにかくすーっと物語が綺麗に終わって
あとには涼やかな気持ちの良い空気が残るような物語。
ある伝説的女優を祖母に持つ孫が、その視点から
彼女を取り巻く周囲の人々や生活を描いてる物語。
登場する人達がみな一癖あって面白いし、
色々な場面が丁寧に魅力的に表現されていて
読んでいて心地良かった。
たんたんとした話を好まない人にはちょっと退屈かも
しれない。でもそういうのが好きな人には
たまらなく魅力的な小説かもしれない。

誰にでも訪れる目覚めることの出来ない朝
それを悲しい気持ちにさせることもなく
淡々と表現している物語。
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
祖母の蕗さんのことを、孫娘の有加が回想のかたちで語る物語。
大女優だった蕗さん。35歳で有加の父・舟を未婚のまま生んで、電撃的な引退をする。
有加の両親が離婚し、有加の母と有加が、蕗さんの住む古い洋館に
転がりこんだのは小学4年の終わり。
蕗さんのまわりに集まる人々は一見風変わりで、それゆえに魅力的な面々。
蕗さんの女優時代からのつきあいのある独特の空気をまとった人々で、
有加はそんな大人たちに見守られながら育った。

古い洋館。庭に咲く野性味をおびた薔薇とその香り。
女優とそのまわりにつらなる人たち。未婚の母。
魂の母娘のような絆で結ばれた嫁と姑の関係。
大人のなかで育つこと。
そういった一風かわった世界を背景に、蕗さんにまつわる思い出が語られ、
父・舟の死が語られ、母の胸中が語られ、私の恋と結婚、それからが重ねられる。
有加がまわりの人々にどれだけ大事に思われて育ったかがわかるエピソードとして、
ミラさん(蕗さんの衣装デザイナーだった人)が有加のために拵えた
ウェディングドレスの件は、まさに圧巻。
思いの丈をこめた素晴らしいドレスにうっとりさせられる。

穏やかに語られながら、蕗さんにも言い尽くせない葛藤や愛憎、女優という立場ゆえの煩悶は
もちろんあったのだ。みなひっくるめて呑みこんで、納得ずくで生きた蕗さん。
蕗さんのまわりの人たちの人生も折に触れて語られ、どの人の生き方もどこか哀しく
なぜか愛おしく誇らしいものとして胸にすとんと落ちてくる。

生きること。目覚めない朝が来るまで生きることは、自明の理だが、
人生とはなんと不思議にみちた、不条理で融通のきかない、それでいて
輝きもし匂いたち、触れることのかなわない美しい時間の連なりであることか。
命を全うすることの尊さが胸に沁み、物語の余韻が心地よかった。
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
今回のタイトルが誰もがやがてくる迎える死を意味するのだとは本の途中から気付く。
回顧する形で綴られる忘れ難い時間は、語り手である有加の小学4年から祖母である蕗さん宅に同居する時から始まるのだが、
後になって振り返った時に慈しむ時だったと気づいているが故に、その場所で得たものの描き方がとても切ない。
生きていた証を墓場まで持っていく道を選択していく人たち。
淋しいけれど人はいつか消えてしまう。
死を前にしていきなり命の重みを他者にぶつけても、残ったというのは錯覚でしかない。
やはり、人はその人がそれまで生きてきた時間がその人の全部でしかない。
その辺りの人間の哀しさを踏まえて生きてきた登場人物の人たちが、この本の中で漂い私は泣けてしまった。
自分の人生を、命の重みを、評価してほしい気持ちを否定しないが、やはり特別な人なんていない。というより、皆が特別であるが故に一人だけ特別でもないのだ。
主人公有加と同じく、忘れ難い人が居ると、この本でその人たちが蘇り切なくなる。
人の人生って、本当に切ないから輝く。
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