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実は、私自身がそういう状況の下で、こういうことを伝えてくれる本を探したんですけど、生活上の視点から見たアメリカ観が書かれている本というのは意外に見つからないのです。例えば、同著者の「遠い太鼓」(これはヨーロッパの話だけど)、「うずまき猫の見つけ方」などは暮らしの雰囲気が伝わるというよりは、旅行記であって、旅行の内容を時系列的に書き連ねている。
これに対して、「やがて哀しき外国語」では、とりあげている題材が、旅行というよりは、よりアメリカの日常に近いものであるように思います。たとえば、アメリカのローカルな新聞とその面白かった記事についてとか。そしてその切り口も、政治解説者の切り口というよりは、一市民の切り口といった感じになっています。政治や、歴史や、経済を、大上段から分析していくのであれば、そういう分野のアメリカについての本格評論みたいな本は山のようにありますが、こういう普通のアメリカの生活者の観点を伝えてくれる本というのはなかなかない。
この意味で、アメリカ生活の感触を知りたいという人には、本当に興味深い本だと思います。
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