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もの食う人びと
 
 

もの食う人びと [単行本]

辺見 庸
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第16回(1994年) 講談社ノンフィクション賞受賞

出版社/著者からの内容紹介

芥川賞作家の記者が胃袋で書いた異色ルポ。「食」を通して世界の人びとの生の根源を探り新たな世界観を提示。

登録情報

  • 単行本: 332ページ
  • 出版社: 株式会社共同通信社 (1994/05)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4764103249
  • ISBN-13: 978-4764103245
  • 発売日: 1994/05
  • 商品の寸法: 19 x 13.6 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (53件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 209,195位 (本のベストセラーを見る)
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迷いの文学 2007/1/13
形式:文庫
「人びとと同じものを、できるだけいっしょに、食べ、かつ飲む」。
上からの視線ではなく、世界の人びとと同じ目線でものを見る。

じつにシンプルな目的だ。
しかし、本編が進むにつれ、著者の迷いが見えてくる。

世界中を旅しているのに、いまだに日本をひきずっている自分。
間違った質問をしてしまう、宗教への偏見がある、飢える子供に何もできない自分。

文章には、世界の食の内容よりもむしろ、著者=日本人・欧米人などの恵まれた人々の心の迷いがはっきり写しこまれている。
結局はジャーナリストとしての特権=豊かな日本人の特権を駆使したルポには、当初の目的のようなヒューマニズムは姿を隠してしまっている。

それを批判することは簡単だ。
しかし自分がもしこの立場にあった時、同じことをしないのかと問われれば、しないと言い切れる確信は全くない。

「驚いたり、嘆いたりならだれにでもできる」。
バナナ畑のフレッド青年の言葉が身にしみる。
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16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By とりさん 殿堂入りレビュアー
形式:文庫
本書を読み始めたとき、よくある「世界にはこんな悲惨な状況があるのです」的本かと思い、読むのをやめようかとも思った。しかし実は本書。「世界とは」「飢えとは」なんていう大上段に構えるものではなく、あくまでも「食う」という形而下の話をダイレクトに構成した本だ。辺見氏自身の考えはもちろん主張されているが、そんな彼の思いを「人間はそもそも」なんていう正論で読者に訴えることをしない。「私は世界中の人々と一緒に飯を食ってきました」という「事実」だけを提示する。事実から何かを読み取ることは読者に完全に任されている。「ルポルタージュ」という表現形式を借りつつも、ごてごてに飾り立てたものが多い現在、辺見氏の「ここの飯はまずくてさ」なんていうダイレクトな文章が新鮮に映る。「文章にする」とはこういうことか、とも感じる好著だった。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Ksuke
形式:文庫
発表された当時、内容面からして話題になったようだが、
十数年たった今でもかなり面白い。

ごちゃごちゃと能書きを傲岸に書き散らしているわけではなく、
取材した各地の現実を必要な分だけ書き並べ、的確な感想をちょいと載せただけだから読みやすいし、
且つ、文章が上手いからその地の雰囲気を十分に味わえる。

作者自身、世間にもの申すという意欲に駆られて取材したわけではなく、
行き当たりばったりで訪れたらしいから、その分リアリズムが損なわれていない。だからまた面白い。

しかも各地の成功者の美食を並び立てているわけでもなく、
むしろ、敗者の味とも言うべき貧しさや哀しみが溢れる食事が多い。
それがまたこの本の味わいに、深い味付けを施していると思う。
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