『ものがたり 唐代伝寄』です。水滸伝、史記と来たものがたりシリーズ三部作のラスト。
唐代伝奇に関するエッセイ、にも近い感じです。ただ逐語的に和訳するだけだったら、誰が訳してもほとんど同じものになると思いますが、付随した知識を紹介したり、現代的観点からのちょっとした批評があったり、日本への影響などを考察したり、と、作者独特の味が出ています。
カタカナ語なども多用していて、現代日本人には分かりやすくはありますが、中国的な雰囲気も薄まっている部分はあります。
収録されているのは17篇。芥川龍之介で有名な『杜子春』のように日本でもお馴染みの作品もあります。『杜子春』などは原作の唐代伝奇と芥川杜子春を比較しながら進めつつ、それでいていつの間にか物語に引き込まれて行きます。
唐代伝奇というのは、収録された17作だけではなく、たくさん存在するものですが、いくつか似たパターンに分類でき、本書に収録された17作で大体網羅しています。
そういう意味では、この17作をチョイスしたこともファインプレーといえるでしょう。
★5