富嶽三十六景を見て、それ以外のこの人の作品が見てみたい、何か手頃な本はないかと探していた時にこの本をみつけました。
北斎の年齢とともに作品が紹介されているので、ページを開くと一目でその作品が何歳頃に描かれた作品か解るようになっているのが良いです。(各章の始めには簡単な国内・世界情勢なども添えられていて「北斎32歳・モーツァルト没(36歳、作曲家)」などと見るとちょっと面白いです。)
作品そのものを鑑賞する本というよりも北斎の一生の仕事を簡単にガイドした本という感じです。
有名な「富嶽三十六景」や「北斎漫画」も載っていますが、それは北斎の仕事のほんの一部であるのと同じように数ページの紹介しかありません。
職人の為の櫛やキセルのデザイン、染織家の為の文様デザイン、踊りを学ぶ人の為の振り付け集、スゴロクなどなど、一般の風景画絵師のイメージとはちょっと違う仕事ぶりも見ることができます。
その他、直筆のユニークなイラスト入り借金証文や、娘・阿栄の書いた北斎の死亡通知など作品以外の資料も楽しめます。
それにしても作品には「当初から好評だったようで、その後再版された」的な解説が何度も見られるのに、それと同じくらい「銭が無い」「服も無い」「布一枚で冬を過ごした」とか、何でそんなに貧乏なんだ北斎!