本書は、「ABCアート・ビギナーズ・コレクション」のうちの1冊です。25.6 x 17.8cmのサイズで78ページであり、全ページカラーです。
サブタイトルに「生涯と作品」とあるように、画家の生涯を追いながら、それぞれの時代にどんな作品を生み出していったかを解説しています。
昔の画家は多かれ少なかれ、画家が生きた時代背景と作品の関連が強いものですが、ゴヤの場合、(a) 宮廷画家としての時代と、その後のナポレオン軍の侵攻時代、「黒い絵」の時代のギャップが激しいこと、(b) その中で着衣・裸のマハのような謎めいた作品があること、(c) アルバ女公爵がゴヤにどの程度影響を与えたのか、など、時代背景や画家の人生に関する知識がなくては理解困難な要素が特に強い画家であると思います。
私は、NHKの美術番組や他の本によってある程度の知識があったので、この本を読んで新しい発見があったわけではありませんが、「少ないページ数・文字数で上手に書いている」という印象をもって本書を読みました。図版の発色もけっこうよい出来になっていると思います。
私は、ずいぶん以前にプラド美術館でゴヤの実物をみて、「黒い絵」などには、とてもとても深い印象(「感動」とかいうような言葉では表せないもっと迫ってくるものがあります)を覚えました。
コンパクトな本では十分に魅力を表せない画家であるとは思いますが、それでも本書は上手に構成しており、短い時間でポイントを押さえたいという人にはとてもよくできた本と思います。