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最も参考になったカスタマーレビュー
13 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
入門書,
By ナナメ (滋賀) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: もっと知りたいゴッホ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション) (単行本)
このアート・ビギナーズ・コレクションは全編カラーです。ゴッホが本当は伝道師になりたかったことや、聖職の道を断念して27歳で画家を目指し始めたということや、彼の作品には実は宗教色がこいということをこの本で知りました。 宗教を捨てきれずに、「掘る人」という楽園追放のモチーフに固執したり、日本の浮世絵を知り、感動して日本的な共同体を作ろうとしてみたり、なんだか行動力のある人です。宮沢賢治の春と修羅に出てくる「ZYPRESSEN」の力強さがこの本の装丁になっている木の絵にあります。この生命力があふれ出しそうな感覚が、ゴッホを駆り立てていたように思います。 昔あった映画のような、異常者ゴッホというのは少し違うようで、自分勝手で我が道を行っていたでしょうけど、この人は生きることにひたむきで、表現することに歓喜して、で、なぜか日本をユートピアのように思っていた。 この本は、入門書にはいいですが、まだ物足りない感じがします。もっと詳しく知りたいなあ〜と思わせてくれる本ではありますので、星4つ。
10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ゴッホの作品を通してその心の内を考察しています,
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レビュー対象商品: もっと知りたいゴッホ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション) (単行本)
もっと知りたいシリーズは、オールカラーでしかも廉価であり、画家の生涯とその作品を理解するのに好都合な編集がなされています。今回のフィンセント・ファン・ゴッホは従来の編集よりも、作品論でありながらその作品を通してゴッホの精神面の葛藤を深く掘り下げた解説が分かりやすく共感できる内容でした。 著者の大阪大学文学研究科(美術史)教授の圀府寺 司氏は、アムステルダム大学美術史研究所に留学し、文学博士を収得した方です。 書かれているようにわずか十数年の活動で物凄い数の作品を遺した後、37歳で自らの命を絶ったという生涯が実にミステリアスです。今回その生涯の流れを追いながら俯瞰して彼の作品を見てみるとその精神の不安定さが他の画家からは得られない強烈な印象をもたらしており、それが作品に結実しているのを改めて感じました。 牧師である父、そして牧師の道を断念し画家の道を選びながら、教会への嫌悪感を募らせていく過程や娼婦との同棲、弟テオとの同居による光の世界のパリでの生活。印象派の影響やジャポネズリーと呼ばれた浮世絵との出会い、ユートピアとしての日本、南仏の明るさとひまわり、いずれも作品の色濃くその遍歴が刻み込まれています。34歳から36歳の作品群の輝かしさはまた彼の精神の高揚と一致しています。 36ページ以降の「夜のカフェテラス」「黄色い家」「ひまわり」「星月夜と糸杉のある道」などの作品群の素晴らしさを実感できる解説がつけられています。 36歳以降の「星月夜」「オーヴェールの教会」「鴉の群れ飛ぶ麦畑」へと突き進む心の闇の深さと唯一無二の個性に輝く絵、その関係を本書は平易な言葉で浮き彫りにした著作だと言えるでしょう。
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