新聞の書評でこの本を知ることができたのは幸運でした。たくさんのページに心に響く言葉があり、傍線を引きたい衝動にかられましたが、まずその衝動を抑えて一通り読み終えました。この本は、子どもの医療にたずさわる人(医者、看護者)だけでなく、教育にたずさわる人、子育て中の親にも読んでもらいたい本です。
子どもたちが突然の重篤な病で、生きることも難しくなるという事態に直面したとき、医師や親が逆にその子どもたちから、希望を持ち続ける勇気を与えられたり、運命を受け入れる静かな諦観を教えられたりするという筆者のたくさんの経験が記されています。また、筆者が事故で60代で肉体の自由を奪われるというその後の体験が、生きることの姿をより明確により深く理解して掘り下げてゆくきっかけになって、読む者に感動を与えます。人はそんなにたくさんの経験をすることはできません。でも、苦しいリハビリの中で、このような素晴らしい本が生まれ、私たちがそれをが追体験できること、私はこの本を作った人たちに感謝しています。
「…重病の子どもたちを相手に仕事をしていると、その病気ばかりに気をとられて、彼らが瞬間瞬間にいかに強烈に生きているかをつい見逃してしまいがちです。遊技と笑いと微笑は、生きている…この時…の中にあるのです。それが、喜びです。子どもたちは重要なこと、リアルなことのすべてが、…今ここ…にあることを大急ぎで教えてくれます。彼らは自分たちのやりかたで、人生のどの瞬間にも必ず何かしら祝うべきことがあるのを教えてくれるのです。」
病者だけでなく、だれでも明日私が生きているかなんて本当はわかりません。「もし、60歳になったら〜をする」こう私も希望を1つ1つ掲げて生きて行けそうな大事な本です。もう1度線を引きながらゆっくり読もうと思います。