この人にはなんども驚かされている。
もはや多少のことでは驚かないぞ、と決めて読み始めたが
いかん...また やられてしまった。
架想の投稿者が語る『介護』にまつわる心情を吐露した内容の本です。
『介護』と一口に言っても、10人いれば10人の事情があり
10の家族の歴史があり 10の葛藤があり また10の言い訳、後悔があります。
『介護』という先のみえない継続のなかで
相手と自分がどう向き合ってきたのかという過去と
そしてどう係わってゆくのか...という模索。確かに続く日常。
回りでなにが起ろうが、そこには常に生きている相手がいて
逃げる訳にはいかない、忘れる訳にはいかない。
時にあせり、疎外感に涙し、あれこれと考え、時に諦め
さまざまな思いの中でそれでも確かに今そこにいるその人と
今そこにいる自分を見据えてきた作者だからこそ書けた
深い発見と慈愛の一冊です。
細切れな時間、場所で本を手にする介護者の読書を思ってくれたのか
邪魔にならない小ぶりでかつしっかりしたこの本のカタチにこそ
書いたひとの祈りにも似た心づかいを感じます。