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目の前にある経済不況という現象を一歩引いた地点から見たとき、何が見えてくるか。それは、呼吸する生き物としての人間を排除し、地球上に存在するありとあらゆるものを利潤追求の対象とみなして収奪しつくそうとするマネー資本主義の本質だ。日本国内で叫ばれる「改革」も、そうしたグローバリズムの名のもとの世界市場化の流れの中に位置づけられる。しかしそれが、「生き、働き、暮らす人間」を幸福にするとはとうてい考えられないと著者は批判する。そして、対抗するもうひとつの社会モデルを提示したのが本書だ。
近代を規定してきた成長概念を問い直し、持続可能な地球社会への提言を続けてきた著者にとって、本書はその仕事の集大成的な意味を持っている。とりわけ興味深いのは、「すでに始まっている未来」として、現在繁栄の頂点にある米国経済を分析している部分だ。そこでは、バブル的に膨張したニューエコノミー企業の経営手法にほころびが見えてきた一方で、コミュニティーと最終消費者にしっかりと根を張った新しい企業が勃興してきているという。この点は、日本経済の今後の方向性を考えるうえでも、示唆を与えてくれる。
最終章では、新たな日本社会の発展モデルのカギとなる、食料、エネルギー、ケアの自給に関し、すでに地域で起きている変化の胎動も紹介されている。まず小さなシステムを手づくりで構築し、やがて社会構造全体を転換していこうという著者の戦略は、一見遠回りのようで、実は着実だ。本書は、幅広い市民層に未来への具体的展望を与えると同時に、企業人、起業をめざす人にとっても参考になるヒントが多数詰まっている。(松田尚之) --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
内容(「BOOK」データベースより)
アメリカ追随、格差拡大、跋扈する市場原理主義。国民の支持のもとで推し進められてきた“構造改革”の結果、現出した日本の形。しかし、これが本当に私たちが望んだ日本なのか?マネーではなく、人間を主人公とする“もうひとつの日本”を、今こそ追求すべきだ。常に時代を見通してきた著者の、警告と希望の書。
内容(「MARC」データベースより)
同時多発テロで、アメリカ一極集中の世界資本主義の脆弱さが明らかとなった今、「構造改革」の行く先は国民生活の破綻しかない。では、二十一世紀、日本の生き残る道はどこにあるのか。新しい社会思想学的経済書。
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
内橋 克人
1932年神戸市に生まれる。時流に惑わされず本質を見抜き、冷静な分析と勇気ある発言を続けてきた。『破綻か再生か』(94年)、『共生の大地』(95年)などでいちはやく市場原理主義への対抗思潮を展開し、『規制緩和という悪夢』(95年、共著)では規制緩和万能論を徹底的な取材で突き崩した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1932年神戸市に生まれる。時流に惑わされず本質を見抜き、冷静な分析と勇気ある発言を続けてきた。『破綻か再生か』(94年)、『共生の大地』(95年)などでいちはやく市場原理主義への対抗思潮を展開し、『規制緩和という悪夢』(95年、共著)では規制緩和万能論を徹底的な取材で突き崩した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)