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第三世界が抱える債権問題や世界レベルでの労働問題などの経済問題から、農業や水利権の問題、そしてジェンダーや移民問題などの人権問題まで、グローバリゼーションにまつわって議論されるテーマが網羅的に扱われている。そして、それぞれについて執筆しているのは、それぞれの問題に取り組む世界中の研究所やNGOの方々であり、それぞれの分野に分け入ると必ず耳にする人々である。したがって、内容は多彩であるが、それぞれの章はそれぞれの分野の最先端の議論が紹介されている。
また、翻訳者達によって、それぞれの分野に関係する中心的な団体のホームページが細かく紹介されていて、それぞれの分野について一層深めていくことが容易なように工夫されている。ついで翻訳について述べれば、訳注がきめ細かくつけら、それが本文中に組み込まれているので、手軽に必要な情報を得つつ読み進められるように工夫されている。
この本は、グローバリゼーションを単に否定するのではない。ダボス会議やIMFそして世界銀行などによって推し進められる企業や資本の利益を優先する現行のグローバリゼーションから、人権や平等そして環境を重視したグローバリゼーションに転換することを目指している。そして、この目標に到達するために真摯に行われている、世界社会フォーラムでの議論の集大成である。
私たちの生活は、すでに世界中と深く結びついている。そして、私たちの生活形式やその変化は、世界中の人々の生活に影響を与える。私たちの生活の根幹深くに根を下ろすグローバリゼーションを見直すことで、私たち自身の生活について見直す契機となろう。そして、すでに労働運動などの社会運動に活躍する人々には、運動の指針やその目指す方向について重要な示唆を与えてくれるだろう。また、この本を読んでいると、最近大きな脅威となっているテロ問題の背景が見えてくるように思われと同時に、私たちの日常生活からテロ問題を解決することはできると、勇気を与えてくれるように思う。
この本は、一橋大学の院生たちによって訳されているが、全体的に平易に訳すことが図られたようであり、気楽に手にして大きな問題の全体像に近づくことができる好著と言える。
批判的に書きましたが悪書ではありません。カタログ的な利用の仕方を
すれば良いので、買っても損はしないでしょう。
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