旧盤のレビューでも多く触れられており、さらに書き加えることはあまりないです。
私がバロック音楽や古楽器に関心を持ったのが、ちょうどこの映画の公開の少し後だったため、名声は聞いていながらも観る機会がなかったのですが、2010年のコルノー監督の死により再発売、という皮肉な形で観ることが出来ました。
サント=コロンブ、マレの研究のみならず、ヴィオラ・ダ・ガンバをはじめとするヴィオール族楽器の演奏、バロック音楽、古楽分野そのものにも大きな影響を与えた名作です。
マレはバロック期にはかなり有名な作曲家であり、例えばバッハの「マタイ受難曲」冒頭合唱曲の旋律は、マレの「メリトン氏へのトンボー」から採られたという説が有力で(『バッハ事典』音楽之友社)、実際よく似ています。
38ページの詳しい解説付き。リマスター盤とのことで、画質はよいです。映像の特典は特にありません。
ただし肝心な音声にノイズが多く、あまり良くありません。1991年の映画とは思えないくらいです。ステレオなのでまだ良しとすべきでしょうか。
リマスターを施してもこのくらいが限度だったのか、そもそも音声にはリマスターをしていないのか、わかりませんが、音楽映画としてこの点は実に残念で、星マイナス1としました。
サウンドトラック (
輸入盤 )は同じくサヴァールの演奏ですが、別収録と解説にあります。サウンドトラックも持っていますが、そちらの録音はこの時期の通常のCD並みによく、記載はありませんがおそらくデジタル録音です。
それと、もちろんこの映画は歴史上の作曲家を題材にしたフィクションで、彼らの実人生そのものではありません。実際、サント=コロンブには息子もいたと解説にあります。
これは、音楽家には原則として男性しかなれなかった当時、かなり重要な事実です。