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むかし・あけぼの―小説枕草子〈下〉 (角川文庫)
 
 

むかし・あけぼの―小説枕草子〈下〉 (角川文庫) [文庫]

田辺 聖子
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

美しいばかりでなく朗らかで怜悧、しかも文学的才能もゆたか、という類まれな女主人・定子中宮に仕えての宮中ぐらしは、今まで家にひきこもり、渇き喘いでいた清少納言の心をいっきに潤して余りあった。男も女も、粋も不粋も、典雅も俗悪も、そこにはすべてのものがあった。「心ときめきするもの」など、小さな身のまわりの品、事象を捉えて書きつけた『枕草子』。そこには、共に過ごし、話に興じた、細やかな情趣を解してくれた中宮への憧憬と敬慕、中宮をとりまく花やかな後宮の色と匂いと笑い声を、千年ののちまで伝えたいと願う清少納言の夢が息づいている―。平安の才女・清少納言の綴った随想を、千年を経て、今清少納言・田辺聖子が物語る、愛の大長編小説。

登録情報

  • 文庫: 512ページ
  • 出版社: 角川書店 (1986/06)
  • ISBN-10: 4041314178
  • ISBN-13: 978-4041314173
  • 発売日: 1986/06
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.6 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 84,428位 (本のベストセラーを見る)
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最も参考になったカスタマーレビュー
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
良いです。 2005/6/16
By tek-
上巻に引き続き、下巻もどうぞ。

小説仕立てになっている枕草子なんて、そうそうありません。枕草子は1000年も前の随筆ですから、現代とは社会的背景や文化背景が違います。深く読み、正しく知るには、それなりに解説的な要素が必要だと思います。それがこれだと、さらりと読めてしまいます。小説だからこそ、無理なく背景を語ることができるのだと思います。

自分の仕える中宮定子が没落してしまうという状況で、清少納言は辛い生活のことは明記していません。それを、辛いからこそ、楽しかったことしか書かないのだ、というふうにみる作者の清少納言に対する見解も好きです。良い作品です。

このレビューは参考になりましたか?
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
素晴らしいですね。
上巻は、時代の前後が行ったり来たりするので分かりずらく、ゆっくり読んでいましたが、下巻は世の中の変化に伴って色々な変化があり、一気に読んでしまいました。
田辺さんの作品は初めて読みましたが、女性の視点で無ければ書けない作品だなぁと思いました。
そして、清少納言の価値観、生き方は現在の女性にも通じるものがあります。
当時としては、思ったことを積極的に表現する女性は、珍しいタイプだったのでしょうが、彼女の人間的魅力がリアルに感じられます★
古典が苦手な方でも、読みやすいと思います。
価値観について、生き方について、考えさせられる長編です。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By recluse VINE™ メンバー
Amazonが確認した購入
見事な作品でした。下巻では定子の運命が暗転していきます。この暗転する中で、清少納言の機知は最後の輝きを放ちます。いくつものエピソードが見事な背景の構築とともに、解明されていきます。そしてこのストーリーの展開を特徴付けるのは、無常観と一瞬の瞬間の輝きへの愛着です。
この世界観を物理的な存在として象徴するよう描写されるのが、中宮定子の存在です。定子は迫り来る運命の暗転にもかかわらず、むしろそれだからこそ、その本質を浮き彫りにし、見事な美の憧憬として描写されていきます。それは、短いながらも一時の好転の中で最後の輝きを放ちます。現実の厳しさはおそらく時代の経過とともに純化され、そこに浮かび上がるのは、永遠に残るであろう一瞬の美です。
最後の32では、1027年の時点での清少納言の述懐が仮想され語られます。清少納言にかかわったさまざまな人々のその後の運命がたどられた後に、彼女が最後にたどり着いて境地が描写されます。
「25年昔の中宮の、あのお美しいお姿、さわやかなお心ざまをついに、春はあけぼの草子にとどめた。中宮は老いられない。千年たっても老いられない。私の頬を、満足の嬉し涙が伝う..。」見事な、田辺版「枕草子」の結末です。もう一度最初から読みたくなるほどです。
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