表題作は、ある晩いきなりお姉ちゃんがベッドから宙に浮いているのを発見した語り手(女)が、いろいろなトラブルに巻き込まれる話。相変わらずあの勢いがあるので好きな人にはお勧めだけど、最近の作品で明らかなようにまとまりがない。わざとなんだろうけど、いろいろなプロットが絡み合って発散していく。例えば:
・小学生の同級生のモデルみたいな女子に迫られる。いつの間にか消える。
・そのモデルみたいなの子の彼氏(がいるのだ)のことを好きな「イトウタカコ」という子が登場する。それで、日本中で、「イトウタカコ」という名前の女性が突然次々に死体で発見されるが、なぞは放り出されたまま。
・お姉ちゃんの彼氏が自分を口説くので悩む。ときどき関係を持つ。もっと悩む。あまり解決されず。
・妹が空から来た変な家族にさらわれる。この奪還が小説の主要なモチーフのように見えるが実はそうではないかもしれない。
という感じ。こういうのを一つずつ短編にすればいいのに。『熊の場所』くらいのときは、そうやってたと思うんだけどな。あの頃の方がよかった。これから読む『ディスコ探偵』に期待。