一言でいうとエグい!
でも人生ってこんなもんだよな。きっと。
振り返ってもどうしようもない道を歩き続けるしかないんだよな。
なさそうでいて、実はありふれた物語がリアルに語られる。
こんな名盤に巡り会えたことは幸せだ。
なかなかメジャーにはならないだろうアーティスト。
なぜなら、お昼やゴールデンタイムに、TVやラジオなど主要なマスメディアにオンエアされないだろうから。流すと問い合わせも苦情も殺到しそうだ。
ほんと曲調はシンプル。
語りかけるようにゆったりとしたフォーク調の音に乗せて、詩が淡々と綴られる。だが、その内容がどぎつい。
人生の隙間を、アームブロックをすりぬけてえぐるようなアッパーカット。そんな歌がずっと並ぶ。
それでいて、ナレーションがとぼけすぎる。相当にダークなのに、くすっと微笑まずにはいられない。
こんなに計算しつくされていいのか。
トラック7は特に変! えつこママがんばれっ。
『馬鹿兄弟』『雄と雌の日々』『ユミコ』は、心の奥にぐさりと刺さる。
だがこれに輪をかけて、最後の『私には星が見える』は心底きつい。
俺なんか見るなって、お前っ! 何考えてんだよ! 莫迦野郎。もっと恋を探せよ、お願いだ…幸せ見つけろよ! そう、ほんとうに心底つっこみたくなる。
原点にあるのは、江戸前の気風の良さ? ナニワの根性? ちょっと違う気がする…誰もが持っている人としての優しさといったところか。
私たちが心の奥底に秘めている、懐かしい暖かさを感じさせてくれる貴重な1枚だ。