この本に書かれている50の出来事はどれも深刻な問題で簡単な解決方法を見つけることは難しい
それでも問題があることすら気付かないことに比べればこの本を読み、足を止めて考えるのは非常に意味のあることだ。
ただあまりにもやさしい文章で大きなイラストが描かれ、一つの問題に割かれるページは3ページあまり。
これは理性よりも感覚や感情を訴える本なのだ。
先進国が飽くなき浪費を続ける間、後進国は貧困に喘いでいる。それを憎むことはやさしいが単に先進国の余剰金を後進国に施すだけでは解決にならない。
また統計にしても非常に恣意的に選ばれているような感じを与える。
例えば死刑の81%が中国、イラン、アメリカで行われていると言うがそのうち1060人が中国、イランが113人アメリカは71人である。
81%の内でさらに84%が中国なんだから単に死刑全体の3分の2が中国で行われているで良いのではないか。
最後に大変疑問に思ったのが49章のアメリカは「国連分担金を10億ドル以上の未払い金がある」の章で
・支払いを先延ばしにする国ぐにのなかで2006年10月末までに分担金を納めたのは加盟国192カ国のうち122ヵ国。
滞納金の95%は。アメリカ、日本。ブラジル、アルゼンチンが占めたとある。
日本は国連分担金を誠実に納めている国だと思っていたのだが違うのだろうか。
12月末には140ヵ国が収めたとあるが日本はその16ヵ国の一つなのだろうか。
いずれにしてもアメリカと日本で国連分担金の総額の44%を負担していること
日本の分担金は20%でアメリカの22%に比べても国民一人あたりの負担額は2倍で世界最高であること。
それでいて常任理事国でないので国連への影響力が低いことなどを無視している。
国連分担金の見直し、また先進国と小国が同じく一票を持つことの善し悪しなど国連を形骸化させないための問題はいくらもある。
しかし挿絵付き3ページでは何も主張できない
子ども達に世界的規模の問題を考えさせるきっかけになるのならこの本は悪くない。
しかし、複雑な問題を過度に単純化させるのは単なるプロパガンダに過ぎないのではないか
この本がたい章としている年齢の子供ではこれを材料に自分で疑問を持って自分で調べることは難しい
そして自分で考え調べられる子供にはこの本の内容は一面的すぎる
自分の子供に読ませたいとは思えない