表題に小さな文字で「アナウンスで聞くドアモードとはなにか?」「フラップの仕組みはどうなっているのか?」と付け加えられているように、旅客機にまつわる50の豆知識をとりあげた一冊です。著者は学生時代に航空工学を専攻したジャーナリストとあります。
私自身、この25年近くで100回ほど旅客機に乗りましたが、この本が指摘している疑問や思い込みをたくさん抱えたままでした。
例えば、「鉄のかたまりがなぜ空を飛ぶのか」という疑問に対して著者は、そもそも飛行機は鉄のかたまりなどではないというところから解き起こしていきます。飛行機は骨組みに薄いアルミを貼ったちょうちんのような構造をしているし、揚力が発生することを考えれば「飛ばないほうが不思議」という代物なのです。本書が教えてくれる、蛇口から流れる水道水とスプーンを使った揚力を体感する実験は、誰かの前でやってみせたくなるほど興味深いものです。
また離着陸時に客室乗務員が「ドアモードを変更してください」という業務連絡の意味するところもようやく分かりました。緊急脱出装置の作動を、離陸時にはONに、着陸時にはOFFにして、混乱を避けるために必要なアナウンスだそうです。
トイレの汚物は空中に撒き散らしているのでは?という思い込みもやはり誤解でした。
ただし、かなり以前にはそういうこともしていたと著者は指摘しています。いつごろまでそうしたことが行なわれていたのか具体的な時期までは記していませんが。
そのほかにも、客席のトレイは3度傾いているとか、出発時刻とは停留していた飛行機が動き始める時間、そして到着時刻とは旅客機が目的地の空港でマーシャラーの誘導にしたがってスポットに停止した時間をそれぞれ指すと書かれています。飛び立つ時間、着地した時間じゃなかったんですね。
こうした事実のひとつひとつを次回の空の旅で確認していくのが楽しみです。