この本はパンや料理やテーブルまわりの本ではないし、もちろん美術館や散歩のガイドブックでもありません。
ではどんな内容かというと、堀井和子さんの個人的な外出の日記のような記録です。外出先は主に日本とフランスの美術館やギャラリーです。専門的ではなくあくまで個人的視点で見たこと感じたことが綴られてているので、アートに興味を持っている一般的な人が読むにはお勧めできません。
堀井和子さんのエッセイなどを既に読んでいて、センスも文章も大好きな人でないと、この本はおそらく読みにくいと思います。(例えば「私たち」と書いてあってもそれが誰のことなのかわかりにくかったり。)
私は「気ままなパンの本」からほとんどの堀井和子さんの本は読んできて、そのレシピでパンや料理を作ったり、テーブルスタイリングを参考にしてきたほど、堀井さんの本が好きな者ではありますが、はっきり言ってこの本は読みにくく、発売時に購入したものの、まだ半分も読み進めることができないでいます。
確かに著者の日常生活には違いないのでしょうが、その世界は読者と遠い距離があるような印象を、近年の著者の本を手にとるたびに感じています。だからこの本はファンのために書かれた本とも言いがたく、これはご自身のために書かれた本というのが、私の感想です。