本書は、第1章「こんな年寄りは嫌われる」から、老いる作法、枯れるには早すぎる、冒険心、第5章の「死ぬときは死ぬがよろしく候」まで57項目の生き方や注意事項が網羅される。ハッとさせられる事項やつまらない事項も色々あるが、幾つかでも参考にして実践出来れば60歳からの生き方としては悪くはない。自分を含めて周囲の60歳以上の爺を思い浮かべれば、思わず反省させられることは少なくない。みっともない老い方をついついしているものだ。基本的に現役時代は忘れ去ること、老化防止に努めることだ。現役時代は社会的地位もあり、「会社」という居場所がきちっとあった。影響力もあり、存在感がある場所・地位・立場があった。これをいつまでも忘れられない爺が少なくない。過去の栄光にしがみつき、会社の肩書、人間関係を引きずる。だから再就職も地元社会デビューもうまく行かない。定年退職すれば全てが無くなり、全くの「素」の人間になる、ということだ。老化防止も至極当然だが規則正しい生活を基本にし、食事に留意し、なるべく笑って上機嫌に生きる。60歳を過ぎた第2の人生では、遊びが大事であり全く自由な時間をどう思い切り楽しむか一所懸命になりたい。会社でうるさく言ってきた爺は、居場所は今や家庭で、部下は奥さんだ。一方で家庭の管理者だった奥さんは堪らない。夫が終日家にいて家事をしない、食事の用意の回数が増える、これでは奥さんは当然に小説「孤舟」の主人在宅ストレス症候群になり、家庭内離婚だ。よく平日の朝からスーパーのベンチや、図書館で、爺が日がな一日過ごす。あれもみっともないと思っていたが、寧ろきちんと家から外出したことを評価すべきかもしれない。知的なことをする、体を動かす、ぶらっと歩く、思わぬ隠れ家的な店を見つける、したいことはたくさんあるはずであり、本書で琴線に触れる項目を追求するのも良い。意外と異性の友達というのが爺にはいいかもしれない。また本書にある「まごたちわやさしい」(孫達は優しい)の食事も良さそうだ。その9品目は、豆、ゴマ、卵、乳製品、ワカメ、野菜、魚、しいたけ(きのこ類)、芋だ。1日で満遍なく摂る。肉も時々食べて良質な蛋白質を摂る。そして還暦から20年間は元気に生きたい。