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みずうみ (河出文庫)
 
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みずうみ (河出文庫) [文庫]

いしい しんじ
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

コポリ、コポリ……「みずうみ」の水は月に一度溢れ、そして語りだす、遠く離れた風景や出来事を。『麦ふみクーツェ』『プラネタリウムのふたご』『ポーの話』の三部作を超えて著者が辿り着いた傑作長編。

内容(「BOOK」データベースより)

コポリ、コポリ…はじまりはいつも、音だった。月に一度、水が溢れ出す「みずうみ」の畔に住む少年、身体が膨張し大量の水を体内から放出するタクシー運転手、そして、あの日、慎二と園子の身に起きた出来事―喪失と再生、物語と現実…「はじまりとおわり」のない、循環する「命」の産声を描いた話題の長編小説。

登録情報

  • 文庫: 320ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (2010/11/5)
  • ISBN-10: 4309410499
  • ISBN-13: 978-4309410494
  • 発売日: 2010/11/5
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 180,200位 (本のベストセラーを見る)
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By Zill
形式:単行本
第1章は定期的に溢れる水を湛える、幻想的なみずうみを中心とした、いしいしんじワールド。
白いこびとカバのようなやわらかな生き物ジューイ、
記憶や風景や思いなど、様々な物を溢れる水に乗せて伝え拡げてゆく、湖畔のハンモックの中の深く眠れる語り部。
記憶の水先案内なのか、鯉守の家とそれを受け継ぐことになった少年。
目に見えないものや、流動的に一定の形を成さない記憶や思い、それらを象徴し司ってゆく事柄が描かれる。

第2章ではそれは現実に近いタクシー運転手の姿や日常を借りて、過去未来に緩やかに隅々まで巡っている
帯のような時間の地下水脈を伝って、裏町の売春宿で溢れ出す。
僅かに揺れる薄地の帳が仕切っている沢山の思いも描かれる。

第3章に描かれるのは作家自身とその妻や友人達を想起させる人々。
作家やその周りの人々が現実に行動したり動いたりした場所、時間、起こった象徴的な出来事・それらの記憶、形にならない思い、その意識の中を
様々な感情や記録を孕んでコポリコポリと溢れ出る水、出現するみずうみ。
第1章で現れていた様々な事柄や人々(或いはそれが託されていた役割)が
一方向に収斂して思いを形作ってゆく。

それらの根底に意識されるのは、目に見えなかったり、形になっていなかったとしても、
確実に存在していた事柄・物・人・現象、それに対する記憶、思いの肯定であり、畏敬の意識であり、オマージュだと思う。
今までの彼の作品世界をベースに、モチーフを現実世界にもリンクさせ、大きな共感と共に、新しく作品の振幅が広がった気がする一冊。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
水、水の立てる音、あるいはかたちのないものを符牒に、まったく異なる三つの場所を舞台を紡がれた物語。ということはわかるのですが、そういった意匠によるのか、自分の頭のなかで文章が像を結ばず、正直読むのがつらかったです。時間をおいてまた読んでみたいと思います。
このレビューは参考になりましたか?
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By かよ
形式:単行本
第1章から第3章に進むにつれて、御伽噺のような世界から現実の世界へと、だんだん近づいてくるような物語でした。
全章を通じて「水」「流れ」がキーワードとなります。
なかでも以前の章でキーとなったもの(例えば、鯉や帳や白い石など)が登場して、「一体今度は、どのように繋がるのだろう?」と話に引き込まれていきました。
場所も、時代も、全く違う物語が繋がっていく。
それぞれの場所で、時代で、役割で、どんな事件があっても人は生きていく。
「水」「流れ」「懐かしさ」など、人の力の及ばない、大きなものに見守られ、流されながら、人は繋がり、生きていく。
私はこの本を読んで、世界の大きさを感じました。
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