アレイスタ・クロウリーなどのオカルトや数秘術・数学といったネタは大好きでおもしろく読み始めました。セリフでは、いわゆる萌え作品にでてくるようなロリキャラが甘ったれた幼稚なセリフをしゃべっているのに、一人称の地の文は、教養ある大人の男性のような言葉遣いで書かれていて、その大きなギャップが新鮮です。
登場人物たちがそれらの難解な知識をとうとうと披露するところがとても魅力なのですが、一方で、彼女らの恋愛パートでの感情表現は紋切り的で、一緒にお風呂にはいるのがどうとか、病気のときに口移しでといったありがちなイベントがありがちなかんじにおきる落差があります。その点が、おもしろさというよりも、作者の思い通りにしゃべらされているキャラの話に見えてしまったところが惜しいです。
平行世界ネタのSFミステリに百合スパイスがかかっているという視点でみれば、オリジナリティの高い意欲作です。