本書は、アシュリーのお話というよりは、その母親であるロリーの生い立ちや生まれついた性格、そして非行に走っていった波瀾万丈な青少年期についてリアルに書いています。
様々な運命的な出来事が流れていく中で、17歳という若さでアシュリーを産み、そして衝撃的な事実を突きつけられたロリー。
その後、精神的に楽になることを求め、どんどん堕落していく様子が描かれています。
それらはロリーが現在の眼差しに立って、過去の蝕んでいた自分を回想し懺悔している姿だと思います。
そして、アシュリーが母を越えた救世主的な存在となり、ロリーに救いの手を差し伸べます。
ロリーがどうしようもないどん底から覚醒し救済されていくところは実に神秘的です。
変な言い方をすれば、ロリーはアシュリーなくしては存在しなかったのです。
ロリーにとってアシュリーは心の灯火であり、絆で結ばれ、そっと見守ってもらう存在であったのでしょう。
泣けてくるくらいその暖かさを感じるとともに、足取りを確かに、精一杯生きることを痛切に感じました。