今まで見てきた猫関連の書籍の中でトップレベルに素晴らしい作品集だと思いました。
あざといとの評価がありますが、この作品集に作為的なものは何も感じられませんでした。
驚くくらい商業的な表現と無縁な、とても無垢な印象を受けます。
あるがままの一人と一頭の姿をあるがままに切り取ってあるだけ、
それを見て何を感じるかは見る人次第ではないでしょうか。
みさおおばあちゃんの生き方は一見のんびりしているように見えるけれど
土を耕して生きるには多くの苦労があるのだろうし、
ふくまるくんもブルーアイの白猫なのでおそらく耳の聞こえない子なのだろうと
表紙を見た時点で気付きました。
この作品集は生きていくことのたくさんの労苦の中から切りだされた
一瞬の穏やかさの集積と感じます。
好意的な評価をされている皆さんがこの作品集を素晴らしいと思うのは、
ここには表現されていない隠れた部分に想像を膨らませ、自分の人生や経験を重ね合わせ、
そしてこの一人と一頭の姿に日常の中にある穏やかでささやかな、
けれど生きていくことを支えてくれるには充分すぎる幸福を見出すからではないでしょうか。
決して解りやすいストレートで単純な幸福ではないと思います。
その想像力を持たない人は残念ですね。