「おやすみなさいおつきさま」などで有名なブラウンのお話に、「しろいうさぎとくろいうさぎ」や「シャーロットのおくりもの」などで人気のガース・ウィリアムズが絵をつけた本。月のない夜、いかにも幼いあらいぐまのぼうやは、おかあさんに夜を見たいと言いますが、賢明なお母さんは「まんげつまでまちなさい」とさとします。
「おやすみなさいフランシス」を彷彿とさせる、白黒に濃い茶色をアクセントにした愛らしいイラストと、まつおかきょうこさんのリズミカルで楽しい訳文にも引き込まれます。ぼうやはいつになったら夜のおもてへ出られるのかしら? お月さまが真ん丸に太ったころ、ぼうやはいっぱしの少年になっていて…… 。
非力で知恵のない者に外の世界、しかも夜は邪悪であぶない場所かもしれません。でも、子どもの側に、そんな世界と向き合う準備がきちんとできていれば、夜は独自の魅力にあふれた場所。早くお外へ出たいとあせるぼうやをさとしつづける、賢いおかあさんの姿には、心から敬服させられます。
それにしても、ぼうやがおかあさんに寝せてもらうシーンはなんて愛らしいのでしょう。それに、スカートを巻いたお魚が、ねこちゃんとダンスしている図には笑わされます。1948年に書かれ、1978年に邦訳されたこの本は、何度読み返しても、なにかしら新しい発見のできる不朽の名作の一冊です。