漫画界(アマチュアも含む)の内情を面白おかしく時には背筋をゾクりとさせながら可愛い絵で描く連作短編。
収録作
・またまた裏トキワ荘物というべき「とてもよいひと」
・本作セミ・レギュラーの自己評価と熱意ほどには画力が伴わないちょっと可愛いがKYな漫画家志望のメガネ娘「夢脳ララァちゃん」の神経の抜け具合が凄い「女の園」
・大物少女漫画家の外観は普通ながら現代の吸血鬼的描写が凄い「蛇の穴」
・童貞エロ漫画家の締め切り間際に訪れた招かれざるアシスタントの話「エロチック街道」
・どこにでもいる偉くなる事が目的の輩を描いた「いばりんぼ」
・漫画家庭のDVを描いた「DDD(デデデ)の女房」
・出版社業界のなんともやりきれない自己規制の問題を描いた「描いてはいけない」
・淡々と実は漫画家にとって一番恐ろしい問題を描いた「枯渇」
・珍しい編集者の苦労譚「地獄めぐり」
・離婚後の男性漫画家の末路が悲惨すぎる「別れ」
・ネット界でいっぱしの漫画評論家気取りの何者でも無い門鳥ムツオくんの最後に嘘を吐く時の表情が秀逸な「うそつき」
今回は濃いネタがギャグと受け取れる臨界点に近づき、余りの内容に笑えなくなった読者も多いのではないかと心配になる程。但し頁からは眼が離せない。
特に壮絶な「DDD〜」や「別れ」を読むとネタ作りにおいて存在感を示す相方、唐沢よし子さんとなをきさんの家庭が円満足らん事を思わず祈りたくなる一冊。