科学史に興味があり、今まで医学の歴史の本は何冊か見ましたが、素人には読み進むのにかなり労力を要するものでした。しかし本書は漫画ということもあり、誰でも一気に読破できるすごい本です。著者の茨木先生はあの「Dr.コトー診療所」の医学監修もつとめる医師兼漫画家さん。深遠な内容をエンタテインメントに高めて描ききった力量には圧倒されます。
本書の構成は1章「医学の芽生え」から52章「生殖医療の進歩―クローン 生命(いのち)を創る」まで、原始時代から現代までまっすぐに時代をたどる真面目な作りです。しかしストーリー展開は堅苦しくなく、作者の言葉を借りれば、この本はまさに「知的冒険渦巻くワンダーランド」。こんなに面白い歴史書、はじめて読みました。
物語のしめくくりにアインシュタインがなげかける問題提起。そして知的冒険を堪能した後は「あとがき」に落涙・・・これから未来を生きる子供たちにも是非読んでほしい一冊です。