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10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ロボットが生み出す歪みと希望。メッセージのつまった完結編,
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レビュー対象商品: まるいち的風景 (第2巻) (白泉社文庫 (や-7-6)) (文庫)
文庫版「まるいち的風景」第二巻、完結です。二巻はまるいちを悪用した事件という、やや重いトーンの作品『触感』から始まります。 「まるいちと犯罪」というテーマは、作品が始まった当初から何度か描かれていましたが、 『触感』ではさらに深く掘り下げられ、便利な「機械」と、それを使う人間の功罪が糾弾されます。 自分の手ではなく、まるいちという機械を使って犯罪を行おうとする人々。 現実世界で人とのつながり=「触感」を失った人々の孤独が、痛いほどリアルです。 とはいえ、そんな重い作品ばかりではなく、コメディータッチのものから 切ないラブストーリーまで、まるいちをめぐる様々な物語がつまった短編集です。 そして文庫版書き下ろしの完結編には、それまでの「まるいち」作品のメッセージが凝縮されています。 自分の手を使わなくとも、何でもできる便利な世界だからこそ、 「変化すること」と、「気持ちを伝えること」を、恐れないこと。 そうすれば、自分と、大切な人を見失わずに生きていけるはずである、と。 あまりに当然のこと、あるいは綺麗ごとにすぎるのかもしれません。 けれど、機械化され、効率化され、人間の代わりを務めてくれるモノがあふれた便利な世界においては、 とかく見失いがちなことでもあります。 この作品は、「まるいち」というロボットが生み出すひずみを厳しく描く一方で、 人間に対する希望と可能性にあふれていて、読んだあとは温かい気持ちになります。 ぜひ、多くの方に読んでほしい本です。
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