数日で1巻から9巻まで一気に読んだ感想ですが、新しい巻になるほどいきなり別のマンガのように劣化したように思いました。
3〜4巻あたりから、なにか殻を破ろうとして、主人公のキャラを壊したのかも知れませんが、それ以降は、他のレビュアーの方達が「ドイヒー主人公」などと称してますがそのとおりで、主人公イジメで完全固定しマンネリ化しています。
主人公(かなこ)をバカとして開き直らせて、「スケベな役どころの嫌われ芸人」のようなポジションを定着させ、かなこが呆れられたり、ひどい事をされたり、ろくでもない計画をして失敗したり、といったようなワンパターンに陥っています。肯定的に見る向きもあるようですが、私は、この変更によって、各キャラの持ち味を無意味にしてしまい、主人公は気持ち悪いだけで感情移入など出来なくなり、ギャグの幅やトークによるツッコミがほぼなくなり、以前のほうが笑いもエピソードの没入感も上質に思えました。
たとえば、以前は鞠也と茉莉花の二人は、切れ味の良い毒舌で、主人公とのツッコミの応酬がありましたが、いまではかなこが痛いことを言って、鞠也と茉莉花が呆れる、という繰り返しで、コントにすらなっていず、二人は「意地が悪くて口の悪いルームメイト」くらいの平凡な役回りになっており、鞠也の「毒舌ドS女装少年」としての持ち味や、茉莉花の「痛快主人罵倒メイド」としての持ち味は完全に消えています。
9巻から読んだら、鞠也も茉莉花も、そんなキャラだと気づきもしないでしょう。
5巻あたりで迷走の予感は感じましたが、それが9巻では、もう末期にまで重症化しています。
必ずしも全て悪いのではありませんが、あまりにも主人公をバカキャラとして固定しすぎ、上記のようなエピソードばかりで、周りは主人公を高みからすまして見下ろしているだけの構図にガッチリ固定化され、ブレ幅がないため、単調なのです。すでにこういう展開に、作者が依存していると見てもいいでしょう。
おかげで周囲のキャラも「意外な面」を見せる機会がないので魅力が激減しつつあります。以前は個々のキャラの違いや人間関係が、ストーリーを構築するコマとして機能していましたが、今は主人公に「呆れられるキャラ」以外の側面が無くなって平板になったことで、連鎖的に周囲の友人キャラも「周りで距離を置いてドン引いたり傍観しているだけ」くらいしか役割がなくなっているからです。
なぜこんな風に変更したのか、わかりません。キャラクターの人気アンケートや要望に振り回されて、高人気のキャラは、お上品にさせておくといい、とか勘違いしたのでしょうかねぇ。