歴史の謎の探求と、それに対応するかのような自らの青春の回想、という構成は『風の影』に似てるかな。
読みやすいし、こういう話は好きなんだけど、どうも歴史のうねる波に身を奪われる感じがしなかった。最後に辿り着いた真実は静かな浜辺でなく、大津波か大渦巻きに飲み込まれる、というラストをこの手の歴史ものに求めてるのに対して、これは、ずっとその写真を眺めている感じ。
スペイン史と美術史に疎いのもあるんだけど、たぶん、主人公自体が手記読んでるだけで、基本的に何もしないからなんだよね。謎の追究に流される代わりに、状況と女の言葉にやたらと流されやすい(笑)
「見えないまちの回想記」と青春の円環はラストでちゃんと閉じるものの、全体的にあっさりしていて、イマイチ燃えるものがありませんでした。うまくまとま
ってるんだけどね。