60年代、他のバンドとは異質な存在であった伝説のバンド、ドアーズの2nd『まぼろしの世界』。
史上稀に見る完璧なデビュー・アルバムで衝撃的なデビューを果たした彼らの2作目である本作。
キラキラしたキーボード・サウンドにジム・モリソンの暗く陰鬱なボーカルが重なる「ストレンジ・デイズ」。重く、幻想的な「迷子の少女」。
ジム・モリソンの哲学的な視点から成る詞が冴え渡る「まぼろしの世界」。スリリングな「マイ・アイズ・ハヴ・シーン・ユー」。
何と言っても注目なのは「放牧地帯」とそこから間髪を入れずに続く「月光のドライヴ」。
もはや曲とは言えない、ジム・モリソンの狂気じみた朗読にバックが絶妙に答えている「放牧地帯」は、初めて聴いたとき震えが止まりませんでした。何度聴いてもゾクゾクします。また、ノンストップて始まる「月光のドライヴ」のフワフワした危うさは、ジム・モリソンの精神状態とバンドそのものを象徴しています。また、ラストの「音楽が終わったら」は前作の「ジ・エンド」と肩を並べる名曲で、10分以上の大曲です。
一見ポップなサウンドと、重く暗いジム・モリソンの歌声が絶妙なバランスを取っている本作。個々の楽曲はもちろんのこと、作品全体を通したジム・モリソンの狂気と孤独に満ち溢れた歌詞世界も前作に劣らぬ魅力を放っています。
一度ハマッたら抜け出せない、狂気の世界が広がる名盤です。