どうしたことが自分でも分からないが ニホンオオカミという動物が気になって もう20年経つ。
日本の民俗学関係の本を読んでいると かつてはニホンオオカミは 日本にごくふつうに生息していた猛獣であったことが分かる。本書でも取り上げている通り 狼という字を使った地名も多い。食物連鎖でも最上位にいたと思うのだが 結果としては明治時代に最後の狼が捕獲されて以来 絶滅したとされている。今でも目撃情報はあるとも聞くが はっきりしたものではなく やはり もはや日本にはいないと考える方が自然だ。
本書は 福島県でのニホンオオカミの記録である。このような本が書かれ、かつ商業出版されるという点に 日本の出版業界の奥深さを感じる。僕自身 どこで本書を見つけたのかは覚えていない。本書自体も いささか稀書の部類なのかもしれないが 今でも たまに 手にとってパラパラと見ることもある。ニホンオオカミとは100年くらいの タッチの差ですれ違ってしまったことを思いながら。