「まほろの愉快な奴らが帰ってきた」と言う言葉通り、前作から3年、装丁もオレンジと緑の色の違いはあれ同じと解るものになっていて、書店で並んでいてもすぐに続編が出たんだと気づかせるようになっており、先ず懐かしさが湧いてきます。
内容的にも、前作のユニークなキャラクターがほとんど登場し、「まほろ駅前」に帰ってきた感じがします。
構成は7編の短編から成っており、それぞれのサブ・キャラクターたちが活躍します。
もちろん、多田便利軒の多田と行天の凸凹コンビも顔を出します。
7編の内、最後の「なごりの月」だけがちょっと異質ですが、他の6編は人間の持っている「優しさ」の一面を垣間見せてくれて、読んでいてホロっとしたいい気持にさせてくれます。
特に、個人的に気に入ったのは、「岡夫人は観察する」と「逃げる男」の2編で、「夫婦」と言うものの微妙な関係が良く表現されていると思います。
岡夫人は思います。
「男女や夫婦や家族といった言葉を超えて、ただなんとなく、大事だと感じる気持ち。とても低温だがしぶとく持続する、静かな祈りにも似た境地。」
そんな低温の「愛」に繋がれた「夫婦」と言う関係の温かさの中で、人生を過ごす「幸せ」が感じられます。
懐かしく、楽しい、そして、ちょっと考えさせられる本でした。