▼あらすじ
真幌市では、この春から十一件も連続して殺人事件が発生していた。
ミステリー作家・闇雲A子によって「真幌キラー」と名づけられたこの連続
殺人犯は毎回、必ず死体の左耳を焼き、その傍に何らかの小物を遺していた。
奇怪な犯行を繰り返す殺人鬼の正体とは?
▼感想
《見立て》殺人の《ミッシングリンク》もの。
犯人が遺留品を残すのは、捜査を撹乱させるためでなく、むしろ、
一刻もはやく「正答」に辿り着いてもらいたいため、というのがミソですね。
犯人特定の最大のヒントが、序盤の段階で抜け抜けと示されているところや、
〈探偵役〉の予想外な人選など、結末のサプライズに向け、入念に構成されています。
一見、バカミス的な設定なのですが、犯人の抱く動機はきわめて
切実かつ叙情的であるというギャップも、独特の余韻を残します。