おおひなたごうさんが新鋭武内優樹さんを原作に迎え新機軸に挑んだ作品です。
氏の特徴であった少年誌風の可愛い画風を敢えて封印、表紙より少々不気味な「一つ願い事を叶えてくれる」魔法少女を狂言語りとした「ギャグ+怪奇+推理物」とも言えるメタでシュールな内容で、現代の都市伝説から市井の人々が日々感じる疑問までを題材とした連作短編です。
収録作は
・鬼女の復讐・前・後編
・蘇生
・指輪
・マニアック
・脳内声優
の5短編にショートショート2編(ノンミラー、脳の演算力)です。
連載当初はロンパリであまり可愛くないトメのキャラが余り気に入らず、違和感が先に立ちましたが、慣れてくると脳内が入れ子構造になったかの如き武内氏の複雑な原作に負けじと奮闘するおおひなた氏の絵が徐々に面白くなって来ます。
特に後半2作は頭の中が痒くなる傑作です。
「マニアック」は荒唐無稽な推理物と声フェチとどこか現実と乖離したオタク主人公の奇妙なミックスが絶妙で、「脳内〜」はクオリア問題の考察にまで達しています。
他の作品も古典怪奇小説と似ていながら新しい味付けがなされており皆水準以上の出来です。
子供が容赦なく殺される等ショッキングな描写も御座いますが、どうか先入観無しにお読み頂く事をお薦めします。
掲載誌ビームでは連載終了とありましたが、単行本は「1」表記が御座いますのでまた復活するのかもしれません。
帯の惹句にも引用されているホラー作家大石圭氏の解説が巻末に収録されています。