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まなざしの地獄
 
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まなざしの地獄 [単行本(ソフトカバー)]

見田 宗介
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

日本中を震撼させた連続射殺事件を手がかりに、60~70年代の日本社会の階級構造と、それを支える個人の生の実存的意味を浮き彫りにした名論考を復刊。最近の事件を考える上でも示唆に富む現代社会論必携の書。解説・大澤真幸

内容(「BOOK」データベースより)

あの事件を手がかりに、都市の非条理と社会の実存構造を浮き彫りにした名論考、待望の復活。「新しい望郷の歌」併録。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 122ページ
  • 出版社: 河出書房新社 (2008/11/7)
  • ISBN-10: 4309244580
  • ISBN-13: 978-4309244587
  • 発売日: 2008/11/7
  • 商品の寸法: 18 x 13 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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28 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
見田宗介 2009/1/23
By hanaohanao トップ1000レビュアー
形式:単行本(ソフトカバー)
 見田宗介が書き残したモノグラフの再版。犯人が眼差しの地獄から逃れようとした過去から、眼差しの不在に耐えられない現在へ。この社会変化をどのように理論化するかが問われている。見田、大澤ともに秋葉原の無差別殺人を、現代の非実体的な抽象的システムへの反乱であると考えている。これ以上、匿名の「誰でもよかった」犠牲者を生み出さないためにも、いまここでの生き難さの原因を、強靭な思考力と分析力で提示することが必要だろう。あまりに強すぎる日本人の自己責任感へのしがみつきが、このシステムに対する批判的分析を妨げ延命させているのではないか。この再版を契機に、半端な構造改革を超え、抜本的な変革への期待が急激に高まることを期待したい。
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35 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 麒麟児 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本(ソフトカバー)|Amazonが確認した購入
大澤真幸氏の分かりやすい解説と併せ、社会学的思考の醍醐味(凄み)を感じさせる一書。1965年と1973年に発表された二論考が収められているが、いずれも内容は古さを感じさせない。なお、本書で示された認識枠組みを今日的状況に当てはめたものとして、例えば見田氏の朝日新聞2008年12月31日付論説「リアリティーに飢える人々」がある。(こちらもまた素晴らしい考察である。)

両氏の考察を自分なりにまとめれば、本書に登場するN・N(集団就職者)も、昨年6月の秋葉原殺傷事件のT・K(派遣労働者)も、「家郷から、そして都市から、二重にしめ出された人間として、境界人というよりはむしろ、二つの社会の裂け目に生きることを強いられ」た(32頁)のであるが(期せずして二人とも青森県出身)、二人の違いは抽象化して云えば、前者がいわば世間という「まなざしの地獄」に抗し得なかったのに対し、後者は「まなざしの不在」に耐えられなかったという点にある。また、N・Nの時代(高度成長期)にあっては、失われた家郷は都市においていわば擬似的に縮小再生産(核家族)され得たのに対し、今日(未来不在の時代)にあってはそれすらも解体の方向にあり、例えば「ネット心中」に代表されるようないわば擬似ネット家族のようなものがヴァーチャルに浮遊しているに過ぎない。

われわれは如何なる時代を生きているのか、またこの荒涼たる時代を如何に生きねばならないのか、まずは確認することから始めたい。
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4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本(ソフトカバー)
1968年から69年にかけて連続殺人を犯した19歳の少年(永山則夫)についての論考。

「まなざし」とは、表層的な属性(服装、持ち物、学歴、出生など)において、個人の総体を規定し、予料する、都市のまなざしである。

本書でN・Nと指示される少年は、分析対象としてはもちろん極端な存在であるけれども(永山則夫と違い、当時の、貧しい田舎から都市に働きに来た少年のほとんどは、人を殺すことはなかった)、見田の手にかかれば、その特殊性を通してこそ、われわれの生きる現在にまで妥当する普遍性がありありと浮かびあがってくる。

私が大学で経済学を学んでいたとき、しばしば教授から、"warm heart, cool head"(温かい心と、クールな頭脳)という格言をいただいたものだ。見田先生はまさに、こうした姿勢で日本社会を「まなざさ」れている。あふれる人間への慈愛と賛歌を表明し、かつ、われわれ読者――その社会の構成員――の心と思考を揺さぶるためにこそ、彼は冷徹な眼で社会を分析するのだ。
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