本書は、連作短編と言う形式で、日常の謎系の謎解きと言う感じか。どの短編にも共通しているのは、主人公たちが謎を解くだけで、実際はどうなんだということが提示されない。だから、こじつけじゃないかと言う感じを受けることになる。あとは、主人公の川端直幸と高野秋の恋愛が進展するかと言うことが見所か。
各短編を紹介します。奇数章は、直幸の視点で、偶数章は、千草の視点で書かれている。
ふたつの時計;高野秋が身につけている左手のふたつの腕時計は何の意味があるのだろうか?
ワイン合戦;あるカップルが同銘柄のワインを互いに一本ずつ開けて飲んでいるのはなぜか?そして、二人ともワインを持ち帰ったのはなぜか?
いるべき場所;たけうちみさきという3歳の少女が、お父さんとお母さんに会いたくないというので、一時預かることにした。みさきちゃんのリュックサックのフラップ(ふた)のバックルは壊れ、胸と腰のバックルが接着剤で固定されているのはおかしい。リュックサックが下ろせない。また、私たちをちらりと見ている視線を感じる。直幸と秋で、この摩訶不思議の謎を解くのである。
晴れた日の傘:千草のお父さんの遺品である傘を黒岩に渡した意味は?この話がいちばん良かったかも知れないですね。
まっすぐ進め;直幸は、秋の妹と両親が亡くなった5年前の真相を知るのである。話を聞いて納得しつつも、秋の話で疑問があった所について、推理するのである。