本書は,平成15年から3年間実施された「まちなみ住宅100選」に選ばれた住宅をマテリアルに,住宅の「まちなみ」について5章にわたり,パネルディスカッション形式で論じられている.
日本のまちなみは,雑然としており垢抜けないという印象があったが,さすがにここに選ばれてくるような住宅は違う.表紙にも見られるような植栽に凝った家屋や,巧みな視線のコントロールを施した住宅,そして共有空間とのコラボを意図したデザインなど,なかなか秀逸な家屋も見られる.しかしながら,ここに出てくるようなモデル的な例は,極めて特異であり,一般人の住む家は多くが問題を有している.これはただ単にデザインの問題ではなく,ご近所とのコミュニティのあり方,不動産観など社会的な原因に端を発している場合が多い.