「まちづくり」は、はっきり言ってマニアックな話です。
しかし自分が住み、暮らしている地域の問題解決≒「まちづくり」なのに、マニアックって、どういうことよ。
それは「まちづくり」が商店街活性化とほぼ同義語で使われていたから。あるいは箱モノ作るのがまちづくり、っていう認識だったから。
違うよね、と。我らが地域を如何に活性化し、よりよき地域にし、次代に残していくのか、その戦略と実践こそがまちづくりなのです。
著者はこれまでの「箱モノ作ってなんぼのまちづくり」と「プロ市民しか参加しない住民参加」の二者択一ではない、オルタナティブな第三の道を提唱しています。それがまちを「経営」する手法です。
著者は、と他人行儀に言いましたが、彼は元同僚であり、同志です。商店街ネットワークという商店街が出資して創った世にも珍しい会社の社長を高校生でやり始めた日本一マニアックな男。彼とは弊社NPO法人フローレンスを立ち上げる時に、たくさんの支援を頂きました。一緒に商店街の空き店舗を探した日々が懐かしい。
彼とはアメリカの街づくりを見て回りました。民間ビジネス業界の人が「まちづくり会社」を経営し、市民からお金を集めて地域に投資し、地域の価値を向上させる。地域の価値が向上すると家賃や地価が上がり、賃貸収入等に跳ね返ってきて、収益が生まれ、それを街の価値向上に再投資する、というスキーム。
商店街の空き店舗に補助金突っ込んでいる日本とは大違いなわけで。
戦略とビジネス的手法が必要なのは、NPOの世界だけでなく、街づくりの世界でも一緒なわけです。
イオンが来たからシャッター通り商店街になった?違う。その町の人々が、戦略を持ってイオンと差別化する戦略を持たなかったのだ。吉祥寺を見よ、個店と大型店舗が共存共栄しているじゃないか。
我が町を再興したいと思う人々よ。皆さんにとって、この本は損にはならない。
少なくとも、イオンが悪い、行政が悪い、不景気が悪い、と悪いことを全て「他の誰か」のせいにしなくても済む。そしてあなたが意味ある戦略を打ち出し、それを実行すれば、この本にある幾つもの好事例が起こした成果と同程度の達成を手に入れることは、決して夢物語ではない。