謎、とある通り、本書は科学の行き詰まりを紹介するだけの本になっています。
様々な科学分野の煩悶をパラダイムシフトが起こる直前状態と捉え、新たな科学への期待に変えているポジティブな一冊です。
科学に関する最新の動向が整理出来る、有意義な一冊でした。
本書で紹介された難題の解決に向けた議論は、常に対抗する意見との揚げ足の取り合いに終始していて、終結までの進捗はかんばしく無く、まさしく百家争鳴の状況を呈しています。
パラダイムシフトは不可能と思われる項目もありますね。
この本は、還元主義的な解釈が不可能な複雑系(ホーリズム)の台頭が顕著なこと、300年間変わらなかった「万有引力」を修正する議論が起こっていること、”生命の死”と”性別が存在する理由が説明出来ないこと”が進化論上の定説である「自然選択説」を仮説にしてしまう可能性があることなど、刺激的な内容を多く含んでいます。
特に、第11章で語られる脳科学のある成果は、著者が本章を読む前に心構えを要求するように、機嫌が悪いと受け入れがたい衝撃的な内容になっています。僕は本書の意見に同意します。
しかし、訳の出来がいまいち。もちろん、原書を読むほどの語学力はありませんが、「ふじゅうぶん」「世界じゅう」等、何故漢字に変換していないのか理解に苦しむ箇所が、これ以外に複数あります。
中々良い本なので、しっかり仕事して欲しいモンです。