非常に評論に困る微妙な作品で、どう書くべきか。汗
若干30歳にして父親を亡くし、明治からの老舗高水酒造と、
地域の期待を一身に背負わされた高水和之。
経営不振で押し潰されそうになっていた彼の前に、
かつて地元で苛められっ子だった亮が突然現れる。
彼は過去の姿が信じられないやり手的実業家に成長し、
「昔から和ちゃんが好きだった。見返りはいらないから
融資させてくれ」と巨額の資金提供を申し出る。
男としての敗北感に打ちのめされた和之は、自ら肉体関係の
援助交際を申し出るが、亮は全く気にせず、明けっぴろげ
に和之の気持ちが自分に傾くのを待ち続ける。
やがて和之の心は、亮への恋に変化していくのだが…。
まず一言。既にこの二人は最初からなんやかやで出来上がり気味で、
途中何も二人を揺るがす大きな事件や問題も起こりません。
なので「この何も起こらない小説に900円出すのか」と
不満な読者もいれば、「ラプラブで安心して読める」と
満足する方もいると思います。文章力も高くなく、凡庸な話。
ちなみに私は後者で、余りにも亮の性格が大きく、度量が深く
物語自体がゆったりしているので、高座朗さんの美しい絵柄
にも心癒されつつ楽しく最後まで読めました。
ちなみに余りにも存在感をストーリー中で強調されている
和之の弟の伸之と、その恋人澤木はこの物語の前巻
「ただ一度の恋のために」の主役カップリング。
二人の設定も面白そうだったので、購入予定です。
何より斬新なのは遠州弁でのベットシーンですかね。
「好きだに」を連発されると、こちらもなんだか萌えてくる…。
ワンパターンながら懐深いワンコ攻×女王様受けが
お好きな型にはお勧めです。リアルハードドラマ好きには不向きかと。