E. W. Hornungの『The Black Mask』(1901年)の翻訳。 ラッフルズものの第二短編集。8編が収められている。 前集の末尾で死んだかと思われたラッフルズだが、意表を突く形で復活・活躍することになる。ただ、すでに犯罪者として社交界からは追放されてしまっており、怪盗かつ紳士という魅力は失われてしまった。また、そのことが物語の奥行きを失わせている。 実際、物語としての面白さ、キャラクターの魅力はゼロに等しいと思う。盗み方には工夫がないし、ラッフルズも中途半端な悪党という印象しか持てない。翻訳されたのは嬉しいが、これまで翻訳されてこなかった理由も分かってしまう。