この作者は初めて。
チームバチスタは何か専門的な医療技術の解説に少し走りすぎたような気がしたが、こちらは「医療ミス」に関する問題なので、登場人物も人間くさく生活感があり、読み応えがあった。
ストーリーは、ある医師が自分の医療ミスを自ら告白し、その遺族に対して自腹で賠償金を払った…というニュースから始まり、それを美談として取材しようとした、医療ジャーナリストが、色々な事件やトラブルに遭遇しながら、その美談の本当の背景を突き詰めていくというミステリー。
ただ全くのフィクションであるがために、そのフィクション性を盛り上げようとして色々出てくる登場人物の描写があまりに多岐にわたるため、話しが飛びすぎて真実の追究という焦点がボケ気味…という感じはしたが、なかなか面白いシチュエーションのため、一気に読めた。
えらく病院内の描写が生々しく現実味があると思っていたら、この作者は現役の医者らしい。
あとその医療ミスを追及しているテレビ番組が、掟破りの禁じ手を使って「やらせ」の設定での撮影をすることにより、医師が医療ミスを隠そうとする現実をいぶりだすシーンはなかなか迫力があり、その結果自殺者が出て…というのも益々話を面白くした。
そしてテレビ放送でのどんでん返しと最後の結末…。
私としてはものすごくいい作者に出会ったと思ったのだが、この本に関してはアマゾンでの評価が低い。早速同じ作者の評価が高いものを購入してみた。どれだけすごいのか楽しみである。