中でも最近、社長報酬をゼロにし、「無給社長」としても話題を集めた丹羽氏の発言は過激だ。一例を挙げるとこんな具合になる。
「次の社長は1世代くらいスキップさせるつもり」「従業員と株主、どちらが大切かなんて聞くことが、馬鹿げている」「時価総額ランキングなんてくだらない」
著者ら曰く、これでも本に書かれた内容は、実際の2人の気持ちの60〜70%くらいに抑えめになっているという。となると、実際の対談はどれほど過激だったのかと想像してしまう。
批判に終始せず、具体的な解決策に踏み込んでいるところがよい。中には「中間管理職による社長信任制度を導入したらどうか」といった提言も盛り込まれている。2人が筋金入りの“ネアカ人間”なせいか、読後感は爽快だ。
(日経ビジネス 2001/04/02 Copyright©2000 ブックレビュー社.All rights reserved.)
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本書の魅力は米国式経営一辺倒の世相に対し 米国勤務/留学の長かった 伊丹氏と丹羽氏が 大いに反論している点にある。日本社会の良さも取り上げ 「米国からの直輸入では安易すぎるし しかもworkしない」という論調は今読んでいても痛快であり お二人のアジテーター振りには感銘を受ける。
しかも 2001年9月11日のテロと それからの米国の中近東での泥沼を見てきた我々としては 既に米国に対する見方も 全く違う地平線にある。その視線で 本書を再読してみると 米国を過信しない冷静かつ熱情的なお二人の論調は 心地よいものすらある。
読んでいて元気がでます。
その点、本書は対談者の一橋教授の自己宣伝臭がやや気にはなるが、やはり伊藤忠の経営改革を陣頭指揮している司令官の本音が聞こえるという意味では、成功している部類だ。
日本社会が安逸に安住しているからこそ変革が出来ないでいるのとパラレルに、日本の企業自身も変革できないでいる。その為に日本も企業もダメになるのではという危機感が丹羽さんの行動の原点だ。
それでは社会も企業もどうしたら変革できるのだろうか。本書にはさまざまな提案が為されているが、それらは机上の空論ではなく、丹羽さんが実際に自ら行ってきたことだけに説得性がある。
曰く、「内部に悪をもて」「スキップ・ワン・ジェネレーション」「社外取締役は役に立たない」「まずアクションを起こしなさい」等々。
米国経験の長い丹羽さんだけに、「経営は英語でやりなさい」「とにかく海外に出て慣れろ」といった国際化提言も多いが、一方、やみくもな、米国流追随や、グローバルスタンダード化には批判的で、日本的資本主義の確立を勧め、又従業員重視の日本的経営を評価する姿勢には賛同できる。
強烈な個性を持ちつつも、日本的の伝統的な良さを認めて行こうという経営哲学には魅力を感じる。
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