掲載誌が隔週と月一の拡大号とたまの増刊号、しかも4コマだから、もとより話がスイスイ進
むはずもないのだが、それを差し引いても、「まじスト」の世界は極端にのんびりしている。
この巻で前坊とスージー、それぞれの決着がつくが、初登場から3年以上かかった。光太と
日夏の関係は更に進まず、行動派の毬望をスパイスとして投入してから2年かかって今年の
春に一歩進んだ(おそらく次巻に掲載されるだろう)。能動的に動いてくれるキャラクターは
主人公のいちこだけ、しかもボケっぱなしなので、話はゆっくり、まったりと、熟成されて
出来上がっていく。
しかし、それが歯がゆかったり、イライラしたりすることはなく、ゆるやかであたたかい世界
は、世の中の喧噪を和らげてくれる。このマンガを読んでいるときはエアポケットに入ったよ
うに穏やかな気持ちになれる。先述の通り、ワクワクしながら読破する類のマンガではない。
だが、これぐらい穏やかな物語でも、いや、穏やかだからこそ、今の時代に必要とされている
マンガだと思う。もっともっと、評価されてもいい。「笑い」と「癒し」と「哲学」を乗せて
かつ日常をほほえましく見つめる作者の力は見事だ。爆発的な人気でなくても、たくさんの人
の手で支えられながら、長く続いて欲しい作品である。
と書いてすぐ、連載がクライマックスに突入した模様。本当に終わってしまうのか?物語が動いた
宿命なのか?不安と期待の中にいる2009年5月初旬である。
2009年6月12日発売ヤングアニマル12号にて「まじかるストロベリィ」は連載を終えた。
希望的でも絶望的でもなくクロージングは”幸せな結末”だった。3人のベリーたちも光太と
ヒナをはじめとするみんなも、それぞれちゃんと「実」をつけた。人前だったので、買って帰
って、家でちょっと泣いた。7月29日に最終巻・10巻が出ると告知があった。また、その
時、思いを新たにするんだろう。「この最終回を書くために今まで続けてきた」(11号巻末
より)まつもと先生、お疲れ様でした、そして、ありがとうございました。また新たなご活躍
をお祈り申し上げます。