キャラ絵の愛らしさも(勿論)あるけど、少女雑誌でこけしの通販(切手)
とか、本屋での出会いとか、小料理屋とか、作家とファンの交流会とか、
誕生会とか、肩たたき券とか、そういう。給料がうれしかったり、ケーキが
うれしかったり。みんなで食べるご飯とか。居眠りの気持ちよさとか。
あー、なんか忘れてた。忘れてたなー、こういう大事なこと……
近年油断して忘れていた「やさしい感じ」を、予期せず真っ正面から
浴びせられて、もう暫く立ち直れない感じ。
読み終わって”現実”に帰ってきたとき、真っ先に感じたのは
この世界に戻りたい、帰りたい、という気持ち。
この世界の包容力、空気の甘い香り。コシマキにはレトロ☆ファンタジーと
あるけど、そこで生きている人たちは、懐かしさの中で生きている訳ではなく、
いまそこで(わりと身も蓋もなく)生きている。彼らが「生きている」からこそ
その中で体験した体験が、現実以上の重みで自分を掴んで放さない。
読んでいて、色んな所で胸がドキドキする。
読み終わってこの町の事を思い出すと、切なくなる。
あー、この感じ。まんが世界に心置いてくる感じ、久々に味わったわ……
なんだか久々に「本物」に出会った気分。上手く言えないけど、「本物」と
そうでないもの、がやっぱりあって、(今現在の)自分にとっては、これは
「本物」だなあ、という。どの辺でそう感じたかっていうと、うーん、あ、
多分杉崎さんが出てきたあたり。杉崎さん好きです!(告白)
あと個人的にはp48-49の、掃除後の寝っぷりから起きっぷりが好き。
あまりに見事で、何度見ても吹き出してしまうのだった。
マンガ読みの方は、是非一読されたい。