ギャグ成分、シリアス成分が絶妙にマッチしたネオ・ハイブリッド学園ラブコメの第七巻。読み始めたきっかけが、六巻の表紙というしょうもないものなんですが、面白いシリーズです。ハイテンション過ぎるギャグはもちろんのこと、ダークな雰囲気を持つシリアスな展開が大好きです。女の子も可愛いらしいですしね。
夏休みに入ったということで、アジャスタントたちと帰省することになった千里。価値観の違う彼女たちに振り回され、一般社会に戻った途端疲れ果ててしまう始末。実家は実家でウーラの母、チータの呪術的施しで変わり果て、心休まるようには見えない。加えて、実家には、いるはずのない妹、万尋の姿が!?得体の知れない「妹」と、そんな妹を何事も無く受け入れていく周囲の状況に、千里の常識は崩壊し、精神が追い詰められていく。
前巻ラストで登場した妹、万尋。千里の境遇を知らなければ、兄に甘える可愛い妹ですが、「いるはずがない」だけに千里は彼女に恐怖します。なまじ記憶を無くし、過去に何が起こったかを理解できていない状態だけにその恐怖は半端ないと思いますね。今まで学園都市で受けた襲撃の数々、その元凶なのだからなおさらです。明確に殺意をぶつけてくるでもなく、憎しみを抱いているでもなく、ただ「ひとつになろう」と兄に迫る万尋。そんな彼女を周囲が受け入れていくことで千里は、「自分こそおかしいのでは?」と追い詰められていきます。気が狂いそうになり、自分すら否定しようとする彼を懸命に支えようとするのは、やっぱりクフィールなんですね。普段は彼女を引っ張る立場である千里が弱みを見せる姿、そんな彼をたどたどしいながら慰めようとするクフィールの姿が今巻で一番印象的です。やっぱり、この二人はいいですね。シリーズで一番好きな二人です。
周防とクフィールに隠された秘密も徐々に垣間見えてきました。ラストでまさかの再登場を果たしたキャラもいますし、今後の展開が楽しみです。期待して待ちたいと思います。