本書は「まおゆう魔王勇者」における勇者と女魔法使いとの出会いを描いた番外編です。一体なぜ女魔法使いは勇者一行と旅をすることになったのか,なぜ女魔法使いは突然性格が豹変するのか,本編では語られることのなかった疑問に焦点が当てられております。会話のみによって構成された語り口は相変わらず軽快で,短い物語ながらも物語をより深く理解する上で重要な要素がちりばめられています。
また同梱版のドラマCDにおいては勇者と魔王の出会い,魔王と青年商人との交渉といったの原作の名シーンが小清水亜美さん,福山潤さんをはじめとする豪華声優によって演じられております。著者が巻末でおっしゃっている通り,「全員が主役を張れる」キャスティングに驚いてしまいました。
一点だけ気になったのは,CDとの同梱版であるため書店で中身を確認する事ができないので,一見すると冊子すべてが番外編であるという印象を受けてしまうということです。ドラマCDを目的として購入されている方は問題ないと思いますが,新作ストーリー目当てで購入を予定されている方は,表題となっているエピソード1は90ページ程度の短編であるということにご注意ください。書籍の残りのコンテンツはドラマCDの台本となっております(書籍版と異なる点もあるのでそれ自体楽しめるものではありますが)。