人形は言葉を話すことはない。
だから都合のいいように「人形の気持ち」を解釈することができる。
さらに美しい人形を自分の思うままに飾ることができる。
まるで自分(もしくは愛しているのに手に入らない人)の分身のように扱うことができる。
人形は貴重であり、キケンな存在。
悲しみを人形にぶつける愛情。
着せ替え人形を美しく着飾る愛情。
人間同士の恋愛に似た感情を抱く愛情。
ひとことに「人形愛」といってもさまざまな形を描いています。
私にも幼い頃からずっと一緒にいるぬいぐるみがいます。
さびしい時も嬉しい時も、あの子をぎゅーっと抱きしめて気持ちを共有していた。
家族も友達もいるけれど私のいちばんの理解者はあの子でした。
ひいちゃう人もいるかもしれないけど、
そんな大切なお人形を持っている人には理解しやすい作品です。
これまでの豊島ミホさんの作品にありがちな
地方の地味な女の子のお話もあり期待を裏切らないけど、
時代がかった懐かしい香りのするものもあったりして、
作家としての幅が広がりました。新境地☆
ファンタジックでキラキラした装丁も乙女心を揺さぶります。
大好きな人形を愛でるように、大切にしたい作品です。