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5つ星のうち 5.0
“死”をどう受けとめ、受け入れるか?, 2007/8/10
レビュー対象商品: ぼくを葬る [DVD] (DVD)
余命3ヵ月…。ロマンのように“死”を受け入れることが果たして出来るのだろうか?初めはすべてを遠ざけようとするロマンだが、少しづつ受け入れ“自分がいた”という証明を残す。ロマンは心の内を祖母にだけ打ち明け、涙する。自分勝手な言動が目立つロマンだが、とても親身になれる。きっとこれは、すごくリアルに近い表現をするからだろう。ラストシーンはオゾン監督らしい、美しいラスト!あと、あの写真がきになりますよ。しかし、二人とも…カラミのシーンが…見えてます!!
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5つ星のうち 5.0
“見直したい邦題文化”, 2010/5/27
レビュー対象商品: ぼくを葬る [DVD] (DVD)
「ぼくを葬る」はフランス映画で、
原題は、<LE TEMPS QUI RESTE>:直訳すると「残された時間」
英題は、<TIME TO LEAVE>:直訳すると「去りゆく時間」
である。
そして、秀逸な我らが邦題が「ぼくを葬る」―
この三国三様の題の違いが、そのままその国民性を表わしているような気がする。
差し詰め、フランス人は「死ぬまでの時間」にエスプリを感じ、アメリカ人は「生きていた時間」との決別をドライに計り、日本人はハラキリの落とし前精神でいて、且つ、禅の安らぎの観念でもあるような、もっと繊細で複合的なアイデンティティ…といったところだ。
葬るという動詞は、通常死んでゆく他者に向けて使われる言葉だが、自らを葬るとしたこの邦題のセンスには震えた。その言葉は、儚くも最も能動的な生を感じさせてくれる。
「ぼくを葬る」は主人公が余命三ヶ月を宣告されてから、どう生きるかという物語である。
ええ、そうです。まぁそんな映画は今までイヤという程作られてきたし、そういう映画は決まってお涙頂戴韓流メロドラマでありました。しかしながらこの映画は、主人公が色々と葛藤しつつも、ただひっそりと死んでゆこうとするアティテュードが清々しく、また温かくさえあった。
ネイティブアメリカンの有名な言葉をご存知だろうか。
「今日は死ぬのにもってこいの日だ」
映画はまさに、この言葉を彷彿とさせる美しく象徴的なラストシーンを迎える。
人間はやりたいことをして生きているのではない。
常に「やり残したこと」をして生きているのだ。
僕も身支度を整えて清々しく死にたいと思う。
死ぬまで生きて当たり前。
鬱々と死を願うものたちよ、
生きる前に死ぬな。
「今夜、あなたと死にたい…」
と、老いたジャンヌ・モローは曇りなき目で囁いたんだ―――
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5つ星のうち 5.0
唇のうえに沈む夕日, 2007/7/18
レビュー対象商品: ぼくを葬る [DVD] (DVD)
死が、生きることの意味をあぶり出していくという普遍的なテーマに、真正面から挑んだ作品です。
主人公ロマンが苦悩と絶望の果てに、すべてを捨てすべてを受け入れて、執着から解き放たれいく様子が残酷なまでにみずみずしく描かれています。この映画での「死」とは彼の生きてきた「生」の収斂されたものであり、どちらも肯定や否定という判断を超えた、たった一人で受け入れるべきもの、というスタンスをとっています。この世界での人間関係と同じように、対立しているように見えた生と死が、和解し解け合って昇華していく様は、無条件に美しく圧倒的です。(自らの生を尊重し死を迎えるには、他者の生をも尊重しその違いを受け入れなければならない。この映画のテーマはあくまで、あらゆる葛藤のなかで「生きる」ことの素晴らしさであり、「死」はその演出家なのです。)
そしてそれは彼の人生に対してだけでなく、この世界にも人知れず輝きを与えている。ラストシーンの静かな衝撃は、悲しみとエンドロールを越えて、いつまでも続いていきます。