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ぼくらの「侵略」戦争―昔あった、あの戦争をどう考えたらよいのか
  

ぼくらの「侵略」戦争―昔あった、あの戦争をどう考えたらよいのか [単行本]

宮崎 哲弥 , 松本 健一 , 西尾 幹二 , 小浜 逸郎 , 呉 智英 , 福田 和也
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

従来の戦争観・平和論に還元されない論考のカタログ。日本断罪でもなく、日本全面肯定でもないぼくらにとっての戦争を考える。

内容(「MARC」データベースより)

昔あったあの戦争を、ぼくらはどう考えたらいいのか。戦争を体験しない世代にも戦争責任はあるのか。日本断罪でもなく、日本全面肯定でもない、ぼくらにとっての戦争の意味を考える。

登録情報

  • 単行本: 372ページ
  • 出版社: 洋泉社 (1995/09)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4896911857
  • ISBN-13: 978-4896911855
  • 発売日: 1995/09
  • 商品の寸法: 18.6 x 14 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
戦後生まれの人間が、第二次世界大戦(あるいは太平洋戦争・十五年戦争・大東亜戦争・東アジア戦争…)における日本の責任をどう考えるべきかを、個々の論者が考察している。歴史的事実の検証はあまり扱わない。

祖父母・曾祖父母らが戦った戦争の戦争責任を、どうして戦後生まれの人間が引き継がなければならないのか。日本に戦争責任はあるのか。そもそも戦争責任とは何か。その責任は法的なものか。それとも政治的なあるいは倫理的なものなのか。

第二次大戦の日本関連の本は「日本が悪い」初めにありきだったり、それとは正反対に「日本のしたことは何でも正しい」が先にありきだったりで、思考停止中なものが多い。本書は、戦後生まれの論者たち(一部そうでない執筆者もいるが)が、読者と等身大の感覚から丁寧に議論を組み立てており、10代~20代位の人間が社会事象を考える上で参考になるだろう。もっとも、歴史的事実の誤認や法制度の誤解など、細かいところで「?」な部分があったりするので過信は禁物だが、きっかけにはいいと思う。特に小浜逸郎と宮崎哲弥の対談は興味深い。戦後世代の責任如何という議論を皮切りに、国家と個人の関係論にまで話が及ぶ(個人主義的な世界観を背景にした小浜氏の国家観・共同体観と、共同体主義的な世界観を背景にした宮崎氏の国家観・共同体観が対立している。この対談に関する限り、小浜氏に軍配が挙がると私は思う)。

最後に本書の執筆陣を列挙する。本書全体の主張の方向性を判断する参考にしていただきたい(所謂「新保守」の人が多いが、必ずしもそれだけではない)。宮崎哲弥・呉智英・橋爪大三郎・小浜逸郎・山田風太郎・松本健一・中野翠・福田和也・池田清彦・副島隆彦・石川好・瀬地山角・西尾幹二・佐藤貴彦。

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By Moral Minority VINE™ メンバー
形式:単行本
勝手な偏見で面子的にも右傾の人達の戦争肯定論集なのかなと思いながら手にとってみたがなかなか多様な意見を収録しており対談の中にもかなりの対立を含むものがあるのでバランスがとれている。編集者である宮崎氏の方針としてもバランスを重視、いや、というよりも従来の単純な戦争肯定や単純な平和主義に換言されない新しい観点からの論考だけを集めるという意志に基づいている。当初の予定では老人ばかり論者に並んでおり、そのままではイカにもな右寄り・保守・新保守サイドの本になってしまいそうだった。宮崎氏は本書をそういうものにはしたくなかったという。また世代が偏らないようにも配慮したそうで最年長で1922年生まれ、最年少で1963年と40年を跨ぐ世代の多様な論考を収録している。

扱われる話題は二次大戦を扱う場合のお馴染みの話題であるが、編者である宮崎氏の関心は特に戦争責任の問題に向いていると思う。最初の宮崎氏の論考もそれを扱ったものであり、最後に収録された小浜氏との対談もその問題をめぐって白熱した展開を見せている。この戦争責任という話題がそこらではあまり言われない観点、しかし大事な観点からものが言われており非常に面白い。何故過去の人間の戦争の責任を我々が負わねばならないのか。この問いはよくよく考え、疑い、論理的に納得しようとしてみればなかなか容易に答えの出るものではない事が分かる。場合によっては我々はなんら過去に対して無関係であり責任がないという結論を出すことも可能であり、実際小浜氏などはそういう主張をしている。(ただし責任を全て放棄するのではなく責任は国家や政治家が負うべきと言う)多くの論者がこういった問題を真面目には扱わず棚上げ、前提にしてきた。しかし呉氏などは例えば、では何故我々は関が原の戦いを反省し関が原の戦いの責任を負わないのか、ノーモア関が原と言わないのかと茶化す。「戦争の記憶が風化する」「風化させてはならない」などと言うが関が原を初めとしたもっと昔の戦争は風化しているがこれはどうでもいいのか。少々哲学的な問題意識なのだが、哲学的な問題意識というのは実はしばしば非常に重要なものであり基盤を揺るがすか、基盤を支えるものであると私は思っている。こういったことについて考える理由は強くあるのである。

現在の個人が過去の人々の過ちに対して責任を負わないのなら現在の国民の税金で他国への賠償金等々が払われるのはオカシイという事になる。実際小浜氏などはそれに近い事を言っている。宮崎氏の見解はこれとは異なり共同体主義者らしい共同性や関係性、先祖からの相続性を強調するものである。戦後世代にも戦争責任はある。例えば祖父に従軍経験があるとか自分の会社が軍需で潤ったなど、直接自分に関係する範囲で戦争責任を引き受けるべきだと。私は宮崎氏の経歴をあまり知らず元々は保守派右派として出てきたのが、だんだん共同体主義的側面の保守主義とは相成れない面が強まり転向扱いされたようなものだと思っていたが、初めての出版物と思われる本書で既に保守主義や国家主義への疑念を示しているのは興味深い。(27頁、39頁)

だがこういった宮崎氏の共同体主義的責任論には小浜氏が噛み付く。それは私からすれば非常な正論に見える「自分の祖父が軍隊に行ったってそれは孫の人生とは違うんだから」という論拠によって言われる。これに応答して宮崎氏は「祖父を物心両面で相続してるから」とか「祖父に対して愛情を持っているから」とか「えろす的関係性があるから」などと理屈付けるのだが小浜氏は全く納得しない。以後356〜362頁はお互い譲らない激しい議論となっており見物である。

私は正直呉氏や小浜氏がここまで面白い事を言うとは思っていなかったので感心した。特に小浜氏は教育における個人主義批判、自由主義批判、吉本右派というイメージが先立って偏見となっていたためこれ程までに徹底して個人主義的な事を言う人とは少しも思っていなかった。若干の好感を抱いた。
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By dupin
形式:単行本
論者は山田風太郎を最年長として、おおむね団塊もしくはポスト団塊と言われる人々である。1995年の村山内閣による「不戦決議」という出来事を挿んで、これらの論者たちが「大東亜戦争」もしくは「太平洋戦争」もしくは「15年戦争」について語るというもの(この呼称自体がひとつの問題系をなすことは本書所収の松本健一の議論に詳しい)。玉石混淆の観がなきにしもあらずだが、山田風太郎の「戦中派の考える侵略発言」、佐藤貴彦の「太平洋戦争問題発言は封じられた正論である」、そして副島隆彦の「総ねじれの日本国内言論」は出色の論考と評価できる。とりわけ故・山田風太郎の言説は、戦中に生きた人間の真率な発言として傾聴に値する。星ひとつ減であるのは、「日本悪玉論」を無前提の金科玉条とする論説も見受けられることによるが、それとても今日の戦争観を如実に反映するもののひとつして収録に値するのかも知れない。左派か右派かという不毛な議論を乗り越えて、「あの戦争」を語ることの意味を問うた労作である。また巻末に収録された宮崎哲弥と小浜逸郎の対談は読み応えがある。この種の対談にありがちな安易な妥協を排して、双方ともに互いの立場を鮮明にしたうえで相互の違いをとことん究明しようとする態度は敬服に値する。それにしても宮崎氏のタフなこと。
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